PS5の理想的な熱設計 - Thermal Test 表面温度を計測
Demon's Souls を30分程プレイ中の表面温度を、サーマルカメラで計測しました。
低温が黒く、赤、黄色と高温を表しています。
サーマルカメラは表面の温度のみを感知するものなので、マーカーを複数表示してピンポイントに測定できるようにしました。
PS5の白い外装カバーは30℃くらいで、排気孔のある背面側のほうが高温になっています。
背景の壁面は24.5℃ですが、この時は室温22℃の環境でしたので、PS5の排気が影響していると思われます。
最も高温を示した白い部分は排気孔で、50℃を超えました。これはカメラの精度の限界もあり、高温の排気自体を観測しているためでしょう。部品そのものは一段下がる黄色で40℃台でした。
カバー左上は紫で25℃〜27℃程度。ちょうど吸気口の部分です。
吸気口の手前に遠心式ファンがあり、そこから空気は後ろと下に向かって送られます。
縦に黄色の高温部分が見えますが、これがちょうど、ファンからの風を受けるヒートシンクの分厚く、縦長の形状です。
吸気された風は基板のAB両面とそれぞれのシールド板、さらにシールド板と接する大型ヒートシンクに送られ、熱を奪い排気します。
左下に少し温度が上がっているところはディスクドライブで、静粛性を優先させた密閉式です。この時は稼働していないので、使用時はもっと上昇するでしょう。
ディスクドライブのさらに内側、本体最下部には電源ユニットがありますが、これには吸気と排気孔が設けられ、排熱を考慮されています。
全体として、見事に熱がコントロールされています。
ヒートシンクに各部の熱が集約され、そこに無駄なく空気が流れることにより、内部で高温の気流が暴れることなく、背面排気孔からのみ熱が放出されています。
複雑な内部構造に見えながら、一方通行でロスのないシンプルな道筋ができています。
PS5内部は空気の流れがクロソイド曲線を描くよう設計されていますが、特徴的な2枚のカバーの湾曲した形状は、理想的な通り道に空気を誘導する、いわばガイドなのでしょう。
使用機材: FLIR ONE PRO