The Road to Next Gen Ludens

PlayStation, PSVR, ゲームなど興味のあるモノコト。

【2023年2月13日追記】PlayStation VR2 有機ELパネルの画素密度は850ppiに到達

【2023年2月13日追記】

PlayStation VR2の有機EL(OLED)パネルの正確なピクセル密度が判明していました。850ppiです。

アクティブマトリクスのOLED(AMOLED)を採用するVR HMDとしては、過去最高だった615ppi(Oculus Quest 1、HTC Vive Pro)を文字通り圧倒。

ソース: DSCCレポート

https://www.displaysupplychain.co.jp/blog/221205-2

液晶(LCD)を高解像度化しppiを高める方向に一斉に舵を切った他のVRメーカーとは、ソニーは完全に逆方向を向いていると言えます。

これほどの高解像度AMOLEDを採用した理由は、VRユーザー、特にゲームコンテンツを遊んできたプレイヤーなら推測できるはずです。

有機ELパネルのコントラストはLCDより圧倒的に高く、

暗闇が浮くことなく漆黒に見え、

高解像度と高ppi化によって網目(スクリーンドアエフェクト・SDE)が見えず、

応答速度も、LCDを圧倒する速さがあり、動きの描写に優れる。

これらの特徴こそ、VRにおいて没入感を深く、高めてくれる欠かせない要素だと考えます。

さて、上記したように同業他社はVRにおいてはもっぱらLCDパネルの高性能化に進み、AR/MRに重きを置くスマートグラス/ヘッドセット領域においては、MicroLEDがオンリーワン的に扱われています。Appleがリリース予定のハイエンドモデルが代表例ですね。

後者は現状関係が薄いのでLCDの進歩について見ると、既にMeta Quest Proが1050ppi、Pico 4が1200ppiのLCDを採用し、さらには2000ppi超もメーカーが実証済みの状況です。

VRヘッドセットをつくるメーカーは初代PSVRの頃からずっと増えましたが、OLEDの採用例は一時期増えたものの、最新機種ではPSVR2以外ありません。

つまりコストが問題であることは明白なのですが、それでも先進的に製造するメーカーがなかったわけではなく、DSCCによればSamsung Displayは以前から、AMOLEDの800ppi化を製造できると実証していたとのことです。しかし、高コストを大量生産で中和できうるような、極めて巨大なオーダーが、ソニーのPSVR2まで現れなかった、という事情なのでした。

ちなみにDSCCの予測では、当該パネルの売上は23年500万、24年600万超となっています。

LCDの高精細化と高解像・高密度のOLED。ゲームコンテンツにとってはどちらがよいのでしょうか。これについては別記事で考えてみますが、ちょうど下にLCDppi比較画像がありますので、雰囲気だけでも見ていただければと思います。加えて、各VRヘッドセットのリフレッシュレートを思い出してみてください。

応答速度が速いパネルに高いリフレッシュレートが揃ってこそ、ハイエンドVR体験と言えるのではないでしょうか。

 

※以下ツイート中のPSVR2のパネル1枚のサイズは3.36インチでした。ツイートとともに、訂正してお詫びします。

 

以上、一年以上前の記事ですが、昨年末にDSCCからリリースがあり、そこで他社含めて公開されていましたので追記しました。

【追記ここまで】

DSCCウィークリーレビューで『PSVR2ヘッドセットのOLEDパネルの詳細』として掲載された公開情報です。

800ppiは、PS5でレンダリングされた映像の解像感や鮮やかな彩度を、そのままヘッドセットに伝えることが期待できるスペックだと考えます。

画像はJDIの液晶ですが、解像感の比較としてはわかりやすいと思われます。

有機ELの精細かつ鮮やかな画面では、さらに初代PSVRパネルとの差は驚くほど大きいものとなるでしょう。

f:id:keepitreal:20220125170938j:plain

ジャパンディスプレイ(JDI)の3.25型/2,160×2,432ドット 100,1ppi 低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイ(LTPS TFT-LCD) 2018年資料

f:id:keepitreal:20220125171824j:plain