The Road to Next Gen Ludens

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PS5で60fpsと4Kレイトレを両立 Ratchet & Clank: Rift Apart Performance RT Mode

ラチェット&クランク パラレル・トラブル』 Ratchet & Clank: Rift Apart

デイワン・パッチで新たに2つのプレイモードが追加実装されることがアナウンスされました。

これで本作は、リリース初日から3つのモードを実装しました。

①30fps固定で、4K解像度かつレイトレーシング有効の「フィデリティ(忠実度)」あるいは「クオリティ」

②60fps(ターゲット)かつ、レイトレーシングが有効になる「パフォーマンスRT」

③60fpsを安定して出力する「パフォーマンス」

 

②の 60fpsとレイトレーシングを両立した実機映像も合わせて公開されています。

ラチェット&クランク パラレル・トラブル』 Ratchet & Clank: Rift Apart
60fps + レイトレーシング有効モード
A sneak peek at 60fps gameplay with Ray-Tracing enabled
インソムニアック・ゲームズの公式ツイッターより

解像度については3つのモードいずれも、

①個別の動的解像度でレンダリングし(モードによりベース解像度は異なるものと思われます)、

②Temporal Injection(テンポラル・インジェクション)で4K解像度に出力

というプロセスは共通しています。

スパイダーマン マイルズ・モラレス』と同様の処理を行うと仮定すると以下の範囲が想定できます。

①30fps/4K/レイトレーシング: 1440p~2160p

②60fps/レイトレーシング: ~1080p/1440p

③60fps: 1080p~1440p

Temporal Injection: テンポラル・インジェクションはインソムニアック・ゲームズがPS4版『ラチェット』から実装している独自技術で、一言でいうと時間的にピクセルを補完するレンダリング技術です。

フレーム毎にレンダリングするピクセルを半減し、残りは前フレームから持ってきて補完するのです。

これでネイティブ4Kよりもやや速くレンダリングでき、さらにはあらかじめアンチエイリアシング TAA(Temporal Anti-Aliasing) を効かせることができます。

仕上がりが良く、結果として描画出力速度の向上と演算能力の節約に大きく貢献し、60fpsかつレイトレーシングを有効にできるわけです。

本作のような4K時代のゲームに求められる画面の密度は極めて高水準で、アセットもハイポリゴン化が要求されますし、フレーム毎に描画しなければならないピクセル数はHD時代とは比較にならないほど莫大な量となっています。

しかしコンソールもPCも、ゲームプラットフォームには限られたマシンパワーしかないのが現実で、その中で、リソースの極めて効率的な活用を実証してきたインソムニアック・ゲームズの技術水準の高さが、本作の登場により、あらためて知られることになるでしょう。

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