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(全文日本語訳) テイクツーCEO ストラウス・ゼルニック氏、PlayStationのサブスクリプションプランに賛同

テイクツー CEO ストラウス・ゼルニック氏、PlayStationサブスクリプションプランに賛同
パブリッシングのボスは、サブスクリプションはゲームカタログに役割を与えると語った

クリストファー・ドリング (Christopher Dring, Head of Games B2B)

2022年6月13日

 

Take-Two(テイクツー・インタラクティブ)のCEO ストラウス・ゼルニック(Strauss Zelnick)氏は、AAA(トリプルエー)級の新作は、サブスクリプション・サービスには発売当日のリリースはしない、というPlayStationのスタンス(PlayStation Plus)に賛同した。

先月開催されたGI Live: Onlineで、パブリッシャーのボスは、このビジネスモデルに対する自身の見解を改めて表明、目録のようにずらっと並んでいるもの(カタログゲーム)には有効であると述べている。彼は、大多数のゲーマーにとってサブスクリプションは、単に音楽やテレビと同様には意味をなさないと感じているようだ。

 

Take-Twoは『Grand Theft Auto』や『NBA』などのレガシータイトルで、Xbox Game Passなどのサービスを定期的にサポートしてきた。昨年、『グランド・セフト・オート: トリロジー・ディフィニティブ・エディション』の発売と前後して、同コレクションのゲームのひとつをゲームパス(『GTA San Andreas』)とPlayStation Now(『GTA Vice City』)に投入している。そして2019年に遡れば、Take-Twoのパブリッシング部門であるPrivate Divisionは、『The Outer Worlds』を小売での発売日と同じ日にGame Passに投入した(Microsoftが同作の開発会社Obsidianを買収したことに伴うものだ)。

 

ゼルニックは基調講演の中で、「我々は様々なサブスクリプションサービスをサポートしてきました。私たちが懐疑的なのは、最前線のコンソール製品をサブスクリプションで日替わりで利用できるようにすることです。というのも、経済的に考えて、消費者がそのためにお金を払う用意があるとは思えないからです。また、経済的に合理的でない方法でビジネスをひっくり返す余裕はありません。消費者が求めるものと、パブリッシャーができることの間には、常に合意点があるはずです。そして、私たちのゲーム資産にそのようなことをしても意味がないことはおわかりでしょう。これは私たちの意見ですが、ソニーも同じ意見だと思います」

「(有名ではない)カタログタイトルや、既に市場に出ており価格が下がっているタイトルを売る際には、最適かもしれません。経済的な意味でも、サブスクリプションサービスを提供することは可能です」と述べている。

 

経済的な面以外では、ゼルニックは、サブスクリプションが特定のゲーマー層以外にアピールすることはないと考えている。

「このように、消費者にとって何が正しいかを語る人はあまりいません。だから、私はリニアエンターテインメント(訳者注:一方向に受け取るメディア、映像音楽小説など)の定額制が存在する理由を理解しています。この国(米国)の人々は、世帯で、月に150時間のリニアコンテンツを消費しています。これは100以上の番組を意味します。そのニーズを2つか3つのサブスクリプション・サービスで満たすことができるのです。これは、アラカルトを買うよりも、あるいは以前のケーブルTVパッケージと比較しても、非常に良い取引です」

 

「しかし、(ゲームのような)インタラクティブ・エンターテインメントは、月に45時間程度と消費されるレベルが違いますし、その方法も違います。おそらく、1ヶ月に2、3、4個のコンテンツに触れる程度でしょう。確かに100以上のコンテンツはありません。ですから、幅広い層のユーザーが、1ヵ月に何百ものゲームにアクセスすることを望み、そのためにお金を出すことを望んでいるとは思えません。一部のユーザーが望んでいる可能性はありますが、インタラクティブなエンターテインメントを消費する人々の傾向とは異なるため、広範な層とは言えないと、私は考えています」

 

「ちなみに、私が完全に間違っている可能性もありますが、それはそれで構わないと思っています。この会社は、私を含め、一個人の意見に基づいて運営されているわけではありません。そして、それが理にかなったものであれば、私たちはサブスクリプション・サービスをサポートし、それが消費者の望むところであれば、私たちはそのサービス上に存在することになるでしょう」

 

ゼルニックのコメントは、GI Liveで行われたゲームの未来についての講演の一部として述べられた。ゼルニックは20分間のセッションで、統合、ストリーミング、メタバースについて語った。メタバースについては、Take-Twoが信じているコンセプトだが、ゼルニックはこのバズワードに投入される投資の量について批判的だ。

「私は、巨大で、インタラクティブで、ダイナミックで、楽しい世界について、全く懐疑的ではありません。なぜなら、私たちの会社は、そのうちの3つを持っているからです。地球上で最大の『Grand Theft Auto Online』、『Red Dead Redemption Online』、『NBA 2K Online』、そして今後リリースされる他のゲームも持っているからです。ですから私は、人々は楽しむためにデジタルワールドに行くのだと信じていますし、非常に楽しい体験を提供すれば、人々はそこに集まってくると思います。私が懐疑的なのは、すべての企業が突然、自社のビジネス戦略にとってつけて『メタバース』と唱えることであって、自分の会社が変革されてニルヴァーナが目前にある、と信じていることです。そして当然ながら、それは事実ではありません」

 

「『人を楽しませる』ということは、本当に難しいものです。ヒット作をつくるのは、本当に大変なことです。お金もかかるし、時間もかかるし、リスクも大量につきまといます。2年前には存在しなかった会社が、ブロックチェーンを使ったメタバースであるホワイトペーパーを発表し、2日間で何億ドルものデジタル不動産を売ったとしたら、確かに、私は少し懐疑的です。その不動産の中で人々を楽しませることがいかに難しいか、私は健全な敬意を持っています」

 

ビデオゲームの最新トレンドについて話す一方で、ゼルニックは、Take-Twoが最近行った127億ドルでのZyngaの買収と、このパブリッシャーに次に来るものについて話して、このセッションを締めくくった。

「私たちの仕事は現在進行形です」と彼は締めくくる。「大きな取引を終えたばかりなので、これからが大変ですが、それが私たちの背後にもあるのです。私は、『傲慢は成功の敵である』とよく言います。私たちは、自分たちを無駄のない、野心的な会社であり、誇りうる文化、包容力、透明性、誠実さ、若干の社交辞令、そして優しさを持った会社であると信じています」

 

「私たちは、家庭用ゲーム機とモバイルの両方のインタラクティブ・エンターテインメント事業において、最高のIPコレクションを有していると信じています。それを私たちは誇りに思っています。Zyngaフランチャイズ、Take-Twoのモバイルゲーム、そして2KとRockstarのPrivate Divisionの大ヒットなど、市場には多くのヒット作があります」

 

「ですから、私たちは絶好のポジションにいます。マイクロソフトアクティビジョンの取引が完了したと仮定すると、当社は、世界でナンバー2のピュアプレイ・インタラクティブエンターテイメント企業ということになります。2位ということは、もっと頑張らないといけないということです。もっと頑張るつもりです」

 

〈元記事〉

https://www.gamesindustry.biz/articles/2022-06-12-take-two-ceo-strauss-zelnick-agrees-with-playstations-subscription-plan